彼は覚えてるかなぁー。
覚えているよね。
初めて腕を組んで歩いた日。
最近は手を繋ぐことが多いんだけど、
なぜ腕を組んだのかなぁ、あの時。
その後のデートもしばらくは、腕を組んでいた。
ある日、普通に彼の横を歩いていたら
彼が無言でわたしの腕を取って
自分の腕に絡まさせた。
だから、遠慮など無用だなと思って
彼に巻きつくように腕を絡ませて歩いた。
綺麗だったなぁ、あの景色。
初めて手を繋いだのは、4回目のデートかな。
彼の手がすっと伸びてきてわたしの手を握った。
だってあの坂の町は、手を繋がないと歩けないものな。
観光客のママさんグループとすれ違うたびに
わたしは複雑な思いがしてた。
あの年頃のグループなら
わたしがそっちにいてもおかしくなくて、
わたしたちカップルを見て
後から、
「ねえねえ、さっきの二人連れ、不倫かもね〜〜。
だって夫婦だったら、あの歳で手なんか繋がないでしょう〜〜(笑)」
なんて言ってたりして。
いけないことをしてる自分に、
少しだけ胸がチクっとした記憶がある。
それでも、
繋いだ手は離さなかった…
Source: 女坂
