
『1ヶ月前くらいにゴミ箱の奥からこれを見つけてね、、。
なんで、こんなの飲んでんの?』
どこまでも抑揚のない西条さんの声。
私は何も答えることができません。
『なんでこんなもの飲んでるのかって、聞いてるんだよ!!!』
突然西条さんが大声をあげました。
西条さんが怒鳴るのを、この時初めて見ました。
『お願いだよ!全部正直話してくれよ!!』
西条さんの怒鳴り声は、ほとんど慟哭のようなものに、変わっていました。
私は全てを正直に打ち明けるべき時がきたのだと悟りました。
私にはもう、優しいこの人に嘘をつき、裏切り続ける程の気力は残されていませんでした。
あとはもう、全てを正直に打ち明け、誠心誠意謝り、それ相応の対価を支払い、お別れする道しかないのだと、恐怖と後悔でかすむ頭で思いました。
私は震える身体を何とか御しながら、床に正座をすると、豪田先生とのことをすべて西条さんに白状しました。
最初は身体の関係から始まったこと。
豪田先生を次第に好きになってしまい、結婚する頃には本気になってしまっていたこと。
引っ越してからも数回会っていたこと。
これからのことを、できるだけやんわり、でも真実だけを伝えました。
西条さんはソファーの上で頭を抱えて、黙って私の告白を聞いていました。
顔は見えませんでしたが、肩が震えているのがわかります。
私は話し終えると、頭を床に擦り付けて謝りました。
許して欲しかったわけではありません。
優しく誠実なこの人を、これ以上ないというほど傷つけてしまったことが、申し訳なくて申し訳なくてしょうがなかったのです。

Source: アラサー女医の不倫ブログ