彼の事情から、
わたしたちは、あれから、
抱き合っていない。
彼の事情は、
痛いほどよくわかり、
彼の奥様に涙もしたわたし。
だったら、別れる選択をするべきだったのに、
できなかったわたし。
きっと彼も…
でも、
抱き合ってなくて、
そんな関係は超越したと思っていた。
お互いに若くもないし…
でも、ふと、
彼に抱きしめられたくなる。
口づけをしたくなる。
あの頃のように
熱く交わりたいと思う。
愛する故か、
欲のなせる技か。
まだまだ超えられない壁の前を行ったり来たりしている。
切ない夏の夜…
Source: 女坂
