夜ご飯の待ち合わせだった。
都会のザワザワした街の一角なのに、
そのお店は木々に囲まれ
門までの石のアプローチは長く、
暖色の灯りは
雨の中で更にゆらめき、
間接照明のように周りを美しく照らしていた。
石畳を歩き、土間に入る。
「いらっしゃいませ〜」
待ち合わせは現地集合!と彼に言われていたw
現地集合って初めてで、
なんとなく彼らしくないなぁと思っていたが、
古民家風の素敵なお店を前に
気持ちは昂ぶった。
先に来てますか?
と聞くと、
「はい、もうお見えです。」とお店の方に言われ案内された。
ひと月足らずでまた会えた。
こんばんは、とお辞儀して、
木のテーブルを彼の向かい側に座る。
仄暗くアンテークで雰囲気が良かった。
早くついたの?
や、
俺もいま来たばかりだよ。
雨の中蒸し暑かったのか、
慌てて来たのか、
あ〜暑いなぁ、と彼。
ジャケットを脱いだ。
わたしは震えるくらい寒かったのに。
わたしのために、
仕事を終え、駆けつけてくれた。
そんな気持ちが伝わってきた。
グラスでビールをそれぞれに頼むと、
「あらためて、、誕生日おめでとう。
乾杯🍻」と言ってくれた。
先月、会ったときに、
お酒を飲んでお祝いしないとな、
と言ってくれていたから。
誕生日は、先月にも十分祝ってもらったのにね…
「何度もおめでとうなんて、またひとつ、余計に歳を取っちゃうねw」
なんてからかわれたりして。
コース料理を予約してくれていた。
先付けから色も美しく味も美味しく、
話も弾んだ。
どのタイミングだっただろう。
彼が鞄から何かを出して、
「はい、これ。」とわたしに差し出した。
えっ!
それは、
わたしが憧れてたジュエリーブランドの袋だった。
先月、プレゼントはもう買ってもらっていたから
思ってもみなかったから、
何が起こったか一瞬わからなかったくらい驚き
同時に泣きそうになった。
Source: 女坂
