デート後、
彼を駅のロータリーまで送っていった。
ロータリーだから、長い停車はできないのだけど、
到着するも、彼は、
さらに助手席に深く背をつけ、
ふーっと息をついて目尻を緩めた。
「ひさびさにゆっくりできたよ。」と言い、
しばらく降りなかった。
優しい笑顔には、
まだ疲れが見えたが、
わたしといて癒やされたことを伝えていた。
愛おしさがこみ上げ、
彼の頬を撫でた。
ありがとう。
またね。
そういって、彼は後ろの座席から鞄を取って
わたしのクルマから降りていった。
残ったのは寂しさと、小さな希望と、
彼への愛おしさだった。
Source: 女坂
