ダブルベッドはひとりには広すぎる。
所用でホテルに泊まった夜…
夢うつつで、右手を伸ばした。
シーツの感触しかなかった。
彼はそこにいない。
ふたりで眠っているときは、
彼がずっと腕枕をしてくれた。
わたしが動くと、
またわたしを探して腕枕をしてくれる。
左を下にして寝るのが好きなわたしは、
寝返りを打つ…
彼に背中を見せる格好になる。
すかさず彼はわたしを後ろから抱え込むようにし包み抱いてくれた。
すこしでも離れたくないというように…
彼の温かさに包み込まれた。
彼と眠るだけでも心が癒やされた。
魂が悦んだ。
肉体は甘く溶けた…
きっとまたわたしは、
夢の中でわたしが眠る右側に手を伸ばして
彼を探すだろう。
Source: 女坂
