食事を終えて、
ホテルまで帰る道は、
都会の割には静かな通りで、
お店に行く時よりも、
時間の経過で、
人通りは少なくなっていた。
わたしのためにバッグを右手に持ち替えた彼の
その暖かな左手にそっと手を添えた。
指を絡ませて手を繋いだ。
もちろん、
行くときも手は繋いだけど、
人通りが少なくなった分、
や、
酔ってる分、
人目を気にしなかった。
彼の手に触れていると、
落ちつく。
気持ちいい。
幸せ。
この歳で、ずっとベタベタするなんて、
前は考えられなかったなぁ。
と、彼は言う。
ちょっと変かな、俺たち…
と。
わたしは
全く気にしない。
別に、いいじゃない。
いろんなカップルがいるよ?
微笑ましいじゃない。
と、意に介さず、
手は繋いだまま。
や、彼だって、
自分からわたしのために手を開けてくれるんだから。
恥ずかしいと思っているわけではなく、
それだけ、
わたしたちは、スキンシップが自然なのだ。
ベッドの中でも、
カラダを、腕を、脚を、
ずっと絡ませている。
セックスの前、後、関係なく。
だから、
それだけくっついていたいと思うことが、
自分たちでさえ、驚くし、
そういう相手に出会ったことに
感動すら覚えているんだと思う。
細い路地のコーナーで、
わたしは彼の手を引いて立ち止まった。
黙って、立ち止まり、彼の手をギュと引いた。
何も言ってないのに、
彼はわたしの心の声に気づいて、
ケラケラと弾むように笑った。
ちょっとだけ抵抗を見せていたけど、
笑いながらしてくれた。
そう、
わたしは冗談半分で、キスをせがんだのだ。
💋をちょっと尖らせて甘えたら、
チュッ、チュッと、
キスをくれた。
もちろん、夜とはいえ、
濃厚な口づけなんて流石にしないけど、
一瞬の啄ばむようなキス…
笑ってしまうようなキス…
ふたりなら自然に。
大通りに出ると、
さすがに手は繋がずに、
彼の背中に触れながら歩いた。
歩いているときは、
ずっとはなにかお喋りしているふたり。
彼と過ごしたデートは、
この日も、心から癒され幸せだった。
Source: 女坂
