西条さんはすくっと立ち上がると、いきなり私のスマホを床に叩きつけました。
ドゴンッという鈍い音が、床に土下座している私の腹に響きます。
それから台所へ向かうと、戸棚の食器を一枚、また一枚も床に向かって投げつけます。
ガシャンガシャンと皿が破壊される音が、一定のリズムで響き渡ります。
西条さんは無言でひたすらその行為を続けました。
その間、私はずっと床に頭を擦り付けていました。
恐ろしくて恐ろしくて、顔を上げることができなかったのです。
ただただ、皿が割れる音を聞き、時が過ぎるのを待ちました。
何十枚もの皿が粉々になった時、西条さんがやっと言葉を発しました。
『その男出せ。連れてこい。』
おそろしく呪詛を含んだ声でした。
私は黙って床を見続けることしかできません。
『おい!』
無言の私。
『いやなの?』
西条さんの問いに、私は床に頭を擦りつけたまま、おそるおそる頷きました。
『なんで?その男が大切なの?』
『、、、、。』
『答えろ!』
西条さんが声を荒げます。
私は意を決して小さな声で言いました。
Source: アラサー女医の不倫ブログ
