『スマホ見せて。』
西条さんが片手を差し出します。
跳ね上がる心拍数。
『え、、。どうして、、、?』
平静を装って聞きます。
引きつった、さぞ醜い笑顔だったでしょう。
『いいから見せて。』
西条さんは無表情のままです。
こんな西条さんは初めて見ました。
拒否することなんてできません。
私は鞄からスマホを取り出しました。
大丈夫。
メールはネットワークに繋がないと
見れないし、ラインもしていない。
写真もない。
電話も、、、
その時私はハッとしました。
一昨日の夜中に、先生から大量にかかってきた着信履歴を消し忘れていたのです。
後で消そう消そうと思って忘れていました。
全身がカッと熱くなりました。
あふれ出す汗。
心臓が猛烈な勢いで脈打ちます。
『ロックあけて。』
西条さんの平坦な声が、どこか遠くから聞こえてくるようでした。
Source: アラサー女医の不倫ブログ
