京田（27）「高橋宏斗（19）はニヤニヤして『京田さん、今日は打てますよ！』と言ってくれる」

　笑える、はずはなかった。京田が今季初アーチを含む、自身初の2打席連続アーチ。打率0割台のどん底からはい上がる光を見つけた背番号1。「いつもエールを送ってくれる」という高橋宏にプロ初勝利をささげた。

　「これで喜ぶバカはいないですよ」。1点リードの4回1死。電光掲示板の示す打率は0割9分1厘。ヤクルト先発・石川の肩口から入ってくるスライダーをすくい上げて右翼ポール付近へ今季1号。無表情でダイヤモンドを回った。6回の第3打席では2番手・大下の速球を右翼席へたたきこむ。今季2号は7番・石川とのアベック弾。「昂弥の勢いに乗っただけです」。渋い表情だった。

　27歳の選手会長は19歳の2年目右腕に励まされていた。「ロッカーが近くて、ニヤニヤしてこっちを見てくるんです。『きょうは打てます』とか『頑張りましょう』とか。人懐っこくて、嫌な気持ちにならないのは、宏斗の人柄なんだと思います」。バットでプロ初星を援護。「貢献できてよかったです」とホッとした表情を浮かべた。