引用元: https://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1641966826/
SNSなどを中心にこのシェフの行動に対しての賛否両論が交わされているが、この問題をどう捉えるべきなのか。筆者はテレビマンとして、制作現場の視点からこの炎上の背景を考察してみたいと思う。(テレビプロデューサー・鎮目博道)
●改善策も提示、よく観ると「厳しいが真摯なダメ出し」
そして、今回問題になった「おむすびを食べなかったシェフ」についても、多分番組サイドの指示はなく、自身の意思に基づいて「おむすびを食べない」という行動を取ったのだろう。この「ジャッジをするのにおむすびを食べもしない」という一見不遜にも思える態度が結果的に炎上を招いたわけだが、これも番組の前後の文脈を見て判断すれば「さほど失礼なことではない」というのがよく分かると思う。
このシェフは番組で一貫して、試食した商品について「厳しく、しかし理論立てて説明をしながら改善策も提示する」という態度で審査をしている。料理を科学的・論理的に考えていて、真摯に批評をしているということが非常に伝わってくる。
「おむすびを食べなかった」後にファミリーマートの担当者から「食べてほしい」と懇願を受け、一口食べたあと食べなかった理由が「食べる気にならない見た目であったこと」と、「見た目は料理にとって大切であること」そして「見た目を改善するにはこういう方法が考えられる」という改善策を冷静にきちんと説明し、最初食べなかったことについて謝罪もしている。
きちんと見れば、真摯に審査を行ったからこそ「問題提起としておむすびを食べなかったのだ」ということがちゃんと伝わってくるのだ。
前段にも述べたように「大企業に対して忖度せずダメ出しができる」という、今どき珍しいリアルなバラエティ番組であることを考えると、こうした審査員の「厳しいが真摯なダメ出し」に感情的に拒絶反応を示し、攻撃して炎上させてしまうような視聴者の態度は、むしろ「良質な番組を潰してしまっている」と言うことすらできると思う。「最近面白いテレビ番組が少ない」と嘆いているあなた自身が、面白い番組を無くすのに加担してしまっている可能性すらあるのだ。
●撮影で生まれる「誇張された役割」のプレッシャー
また、なんとなく審査員のシェフの中でも「優しいシェフと厳しいシェフ」を役割分担している感じはあって、番組サイドは「優しいシェフにはより優しい役割を、厳しいシェフにはより厳しい役割を」望んでいる節がある。
はっきりと指示をしたりはしないまでも、暗黙のうちに「今日もいつもの調子で、ビシッとお願いします」などと「厳しい役割を望む雰囲気」を番組サイドからシェフに伝えることで、シェフに「俺は厳しい役割を果たすのがこの番組で望まれていることなんだ」とプレッシャーとして覆い被さっていた可能性は高いと思う。
そういう意味ではこの構図は、かつて恋愛リアリティショーで問題とされた構図と似ていないことはない。テレビ番組の中でいつしか与えられた「誇張された人格」に、出演者自体が潰されてしまうような事態だけは避けなければならない。そういう意味で番組サイドには、審査員であるシェフを「守ってあげなければならない」責任があるのだ。
まずは、「厳しい役」のシェフを演出で救うべきだ。「完全に悪い人」という感じに視聴者の目に映らないように、バランスをとった「煽り」が求められる。そして、今回TBSが行なっているように、「誹謗中傷をしないように」と視聴者に積極的に呼びかけることも大切だ。
こうしたリアリティのあるバラエティー番組は、人間のいろいろな「真実の姿」が垣間見えて実に面白い。しかし、その性質上「出演者が非難され、誹謗中傷される」危険性も本質的に孕んでいる。
ぜひ、番組制作サイドには、出演者を守る姿勢を求めたいし、テレビを見る私たちは「きちんと前後の文脈を見て判断し、理性的な反応をする」ことで、こうした良質な番組をはぐくみ育ててもらいたいものである。
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Source: なんJ PRIDE
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