クライマックス・シリーズのファイナルステージでヤクルトに敗れ、今季の全日程を終えた巨人・原監督は15日、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナーにシーズン終了の報告を行った。3年契約の最終年だった同監督に対して、球団側はすでに新たな3年契約を提示し、受諾していた。トップ会談終了後、記者会見に臨んだ指揮官は今オフの補強策に触れると「誰が見ても外国人選手はね。それはオーナーも認めるところ」と、大失敗に終わった新外国人選手の補強の必要性を認めた一方、FA補強については慎重に言葉を選んだ。
「僕が答えをパンと出してしまうのはおかしな話。FA権(を取得した)選手は今年はたくさんいるわけでね。その選手達の権利は大事にしてもらいたい。それが野球界の中で選手として誇れる一つの材料であることは間違いない。その部分というのは、答えない方が僕はいいと思いますね」と話し、「(FA補強に)参加するのがジャイアンツ」と語っていた以前とは全く違うニュアンスを周囲に与えた。
12選手にも及ぶ「自由契約→育成で再契約-」の人事にはどんな意味があるのか。答えは簡単に引き出せる。
日本シリーズは20日から行われる。今季中に国内FA権を取得した選手はシリーズ終了後、土日祝日を入れない7日間のうちに権利を行使するならば、表明しないといけない。そして、FA権を行使した選手はAランク(旧球団の年俸上位1~3位)Bランク(4~10位)Cランク(11位以下)に区分けされる。A、Bランクの選手を獲得する球団は旧球団が望めば人的補償が発生する。この際、支配下選手(育成選手は除外)の中で当年のドラフト指名選手、外国人選手及び28人のプロテクトされた選手以外の選手なら、旧球団に誰を指名されても渡さなければならない。
そして、今季で年俸3億円(金額は推定)の5年契約が切れた陽岱鋼(ようだいかん)外野手(34)と来季も契約を結ぶこともFA戦略との関わりを疑いたくなる。今季は1軍で7試合出場、打率・143の大不振。それでも球団側は右打ちの外野手が不足しているチーム事情から残留させるという。ただ、本当に来季、使う気があるのか? 経験豊富な外野手で肩と足は衰えていない。FA補強の際の補償選手としてなら、旧球団にとっては格好の〝商品価値〟がある…と見たのではないか。
育成枠がFAの補償選手逃れになるシステムはどうなのか…はさておき、12選手の育成再契約&陽岱鋼残留の裏にはFA大型補強のにおいがプンプンする。
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Source: なんJ PRIDE
今オフ原・巨人の補強策、ターゲットはFA権獲得の大物か