阪神・高山、“丸打法”で変振６連発含む４９発！

　阪神安芸秋季Ｃ（１日、安芸タイガース球場）“丸打法”で完全復活だ！　阪神・高山俊外野手（２５）が、初日の打撃練習で６連発を含む、計４９本のサク越えをマーク。この秋は、手でタイミングをとる広島・丸佳浩外野手（２９）のような新フォームに取り組んでいるが、さっそく大きな可能性を示した。

　右翼フェンス向こうに広がる土佐湾へ届かんばかりの、大きく、力強い放物線を何本も描いた。キャンプ初日から、高山がフリー打撃でサク越え連発。１０月の「みやざきフェニックス・リーグ」から取り組んでいる打撃フォーム改造に、手応えを口にした。

　「手を動かすのはフェニックス（リーグ）のときから、（新井）良太さんに言われてやってきたので」

　グリップを高く構えていた今季と違い、バットを上下に動かしながらタイミングを取る－。今季セ・リーグ２位の３９発を放ったカープの主砲、丸のような手の使い方だ。

　改造を提案した新井２軍打撃コーチは「『静から動』というのではなくて、タイミングを取る動作のなかで、打てるように。ガチガチに固めるより大げさに（バット）を動かしてみようかと話した」と説明した。

　『動から動』へ。フェニックス・リーグ終盤でも２戦連発した成果を示すように、この日も快調だった。午前中のフリー打撃では６８スイング中、６連発を含む１２発。場外弾も放った。午後もフリー打撃、ロングティーを行い、全体での練習後は個別メニューでバットを振り込んだ。サク越えは計４９。新フォームが効果を発揮し始めている。

　２０１６年の１年目に１３６安打を放ち、新人王を獲得も、その後は苦しんでいる。３年目の今季は１軍出場わずか４５試合、打率・１７２と悔しい１年となった。

　練習中には浜中打撃コーチや矢野監督から足の使い方を指導される場面も。「ちょっとだけ（軸足の）左足が内に入っていて（スイングの際に）回りすぎるんじゃないかと言われた。（左足）を開くのではなく真っすぐ構えるということ」と高山。浜中コーチは「いい感じで振れているなと思います」と評価した。

　福留、糸井のいる外野には、即戦力のドラフト１位指名、近本光司外野手（２３）＝大阪ガス＝が加わる。４年目を迎える来季は、高山にとって正念場だ。だからこその改造。「いい感覚もある。とりあえず続けてみて」と力を込めた。まだ試行錯誤の段階だが、この１８日間で固めていく。　（織原祥平）

★強く振るには「予備動作」必要

　野球のスイングで、タイミングをとるためにグリップを上下させることを「ヒッチ」という。無駄な動きを省き、構えた位置から、そのままバットを出すことが理想的といわれてきたが、“神主打法”の三冠王、落合博満氏が、強く振るには「予備動作」が必要と話すなど、ヒッチする打者は多い。広島の丸も右足を上げたときにグリップを下げて、タイミングをとっている。