
スコティッシュフォールドが運動しない理由がやばい
スコティッシュフォールドの一番の特徴は、“折れ曲がった小さな耳”だ。他の猫にないこの特徴が人気の最大の要因になっている。
ところがこの折れ耳は、実際には、“軟骨の異常によって起きた奇形”を固定したものだ。先ほどお話した、スコットランドの農園で、たまたま耳の折れた奇形の猫が生まれ、新しい形状が面白いと繁殖が試みられたのだ。
しかし、この軟骨の異常は、都合よく耳だけに現れるわけではない。正式には『遺伝性骨軟骨異形成』と呼ばれ、容赦なく四肢にも症状が現れる。
早ければ生後数ヵ月で発症することもあり、痛みによってジャンプができない、痛くて歩きたがらない、触ると嫌がる、などの症状が起ってしまうのだ。
折れ耳の猫には、ほぼ100%の確率で、何かしらの症状が出ると言われている。
発症した場合、グルコサミンなどのサプリメントで症状を緩和する、臓器に負担をかける鎮痛剤を一生使い続ける、低線量放射線の照射をして痛みの緩和をする、外科手術を行うなどの治療が行われる。
しかし、どれも対症療法のみで、根本的な治療法は見つかっていない……。少し厳しい言い方になるが、生涯痛みを感じ続ける生き物を“面白くかわいい外見”を求めた人間が、生み出してしまったのだ。
スコティッシュフォールドが人気の理由は外見だけではない。性格も穏やかで、愛らしいしぐさにもファンは多い。
もっとも特徴的なのは、通称“スコ座り”と呼ばれる、後ろ足を前に投げ出した座り方だ。人間のようなしぐさで、SNSなどにもよく写真が投稿されている。
しかしこの座り方は、脚に体重をかけると痛いため、彼らは苦渋の策として、脚を前に投げ出しているだけだ。
また、プレーリードックのように“後ろ足だけで立ち上がる”しぐさも、痛みでジャンプができないがために、立ち上がって遠くを見ているしぐさでもある。
“穏やかでおとなしくあまり動かない”のも、脚が痛かったり、関節に異常があるため活発に動けないだけなのだ。
彼らの痛みを理解せずに、そんなしぐさを単に「かわいい」と喜んで写真を撮る人間を、猫たちはどう感じているのだろうか?
撫でられるのが嫌いなスコティッシュフォールドも多く、痛みに耐えながら「そっとしておいて……!」と人間に訴えかけているのかもしれない。
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Source: ねこメモ
スコティッシュフォールドが運動しない理由がやばい
