
うちの飼い猫が異世界に転生して最強猫耳美少女として無双するなろう小説を書いてみた
正確には、この前まで猫であった。
今もある意味では猫であるが、まあ、それは今は措くとしよう。
野良猫として生を受けた私だったが、なんだかんだあってキヨヒコという人間と同居するようになり、その後は家猫として生きてきた。
ところがある日、キヨヒコの家の布団の上で寝ていたはずの私が目を覚ますと、大きな水たまりほとりの草の上であった。
野良猫であった頃であれば、公園の真ん中の噴水の脇が私のお気に入りの昼寝場所であったのだが、私が目覚めた草むらの横の水たまりはとても大きく、向こう側がようやく見通せるくらいの大きさであり、水もとても深そうだった。
これはどうしたことか。夢を見ているのだろうか。
そうだとすれば、また眠れば布団の上かもしれない。
そうも思ったが、空を見れば太陽は高くのぼり、いくら私が猫であるとはいえども寝ているのが憚られる時間である。
私は体を草むらから起こすと、両前足を地面につき、腰を大きく引いて伸びの姿勢をしようとした。が、バランスを崩し、すっ転んで地面に頭を打ちつけた。無様だ。
顔が泥だらけになっただろう。顔を洗わなくては。そう思って傍らの水たまりをのぞき込むと、水面に人間の影が映った。
!!
とっさに後ろを振り返る。しかし、そこにはさっきまで私が寝ていた草むらがあるばかりだった。
気のせいか、と再び向き直ったが、やはり水面には人間の顔がある。
よく見るとこの人間、顔の横にけったいな形の耳がついているのではなく、頭の上に我々猫と同じような耳がついている。ただ、それ以外はどう見ても人間だ。
・・・
ふと思いついて、前足を上げてみる。
人間が手を上げる。
フーッと声を出しながら目の前の人間を威嚇する。
人間も顔をしかめる。
まさか、もしかして・・・
私がとっさに自分の体をまさぐると、自慢の毛並みは消え失せえていて、ただツルツルとした肌に触れるばかりだった。
ああ、これはもう認めるしかない。
「に、人間になってるにゃぁぁァァッ!?」
こうして、私の人間としての日々が始まったのであった。
続きを読む
Source: ねこメモ
うちの飼い猫が異世界に転生して最強猫耳美少女として無双するなろう小説を書いてみた

