ブッちりぎり優勝のクラブからMVPが選ばれない理由www
2020年12月23日2位以下のチームの追随をまったく許さない、歴史的な独走劇でJ1リーグを制した川崎フロンターレからは、史上最多となる9人もの選手がベストイレブンに名前を連ねた。しかし、11人のなかから選出される最大の個人タイトル、最優秀選手賞には誰も手が届かなかった。
DAZN(ダ・ゾーン)などで動画配信された今年のJリーグアウォーズ。ハイライトへのプロローグとなるベストイレブンの発表は、まるで川崎の先発メンバー紹介のような光景と化した。
守護神チョン・ソンリョンに続いて、最終ラインの山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、登里享平、中盤の家長昭博、田中碧、守田英正、三笘薫と主力メンバーの名が9人連続で呼ばれたからだ。この時点で1994シーズンのヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)、2002シーズンのジュビロ磐田、そして2018シーズンの川崎の7人を超える、史上最多のベストイレブン輩出が決まった。
フォワード陣になって鹿島アントラーズのエヴェラウド、柏のオルンガと川崎以外の選手が初めて登場する。そして、村井満チェアマンが最優秀選手賞受賞者として、オルンガの名前を読み上げた。
同一チームから7人がベストイレブンに選出された過去の3回は順にDFペレイラ、FW高原直泰、2年前の家長とすべて王者から最優秀選手が選出されている。しかし、今回で28回目を迎えたJリーグアウォーズの歴史そのものを振り返ってみれば、約3分の1にあたる下記の9シーズンにおいて、最優秀選手賞受賞者が優勝チーム以外から選出されている。
【1995年】ドラガン・ストイコビッチ(名古屋グランパス)
オルンガは名だたるメンバーに続く、リーグ優勝チーム以外から選出された延べ10人目の最優秀選手となった。加えて、柏の今シーズンの順位である7位はこれまでで最も低かった、エメルソンが受賞した2003シーズンの浦和の年間総合6位をさらにひとつ下回っている。
対照的に史上最速となる、4試合を残して今シーズンのJ1リーグを制した川崎は勝利数26、勝ち点83ポイント、総得点88、得失点差プラス57、2位との勝ち点差18ポイントと、J1が年間34試合体制となった2005シーズン以降の最多記録をことごとく更新。最終的に「3」にとどめた負け数も歴代最少を更新するなど、異次元の独走劇に新記録ラッシュで花を添えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3881221807ffebc88b320b566f7d9d2cb694dea6
まずは18を数えるJ1クラブの監督と、リーグ戦の半分にあたる17試合以上に出場したすべての選手が選者となって、それぞれが考えるベストイレブンを投票する。次にGK、DF、MF、FWの4つのポジションでトータルの投票数がそれぞれ上位だった選手のなかから、ベストイレブンへの最終ノミネートとなる優秀選手賞を贈る選手をチェアマンが選ぶ。
今シーズンのJリーグアウォーズではGKで4人、DFで9人、MFで13人、FWで7人の計33人が優秀選手賞を受賞した。その上で得票数順にGKとFWで1人ずつ、DFとMFで3人ずつの計8人が自動的にベストイレブンを受賞。残る3人のフィールドプレーヤーに関しては、チェアマンや各クラブの実行委員(代表取締役)ら23人で構成される選考委員会が投票で決める。
もっとも、DFおよびMFの4人目、そしてFWの2人目は、監督・選手による互選でそれぞれ4位と2位だった登里、田中、エヴェラウドがそのまま名前を連ねた。つまり、ベストイレブンに選出された全員が、今シーズンを戦ったチームの監督や選手から認められた精鋭たちとなる。
そして、ベストイレブンから最優秀選手を選ぶ際には、互選による投票結果をあくまでも参考としながら、選考委員による投票に委ねられる。実は互選では川崎のルーキー、三笘(筑波大卒)が238票を獲得し、オルンガの225票を上回って全体で堂々のトップに立っていた。
「素晴らしい選手たちが大勢いるなかですごく光栄なことですし、投票して下さった方々には感謝の思いでいっぱいです。MVPに関してはあまり意識していなかったというか、もちろん選ばれれば嬉しい気持ちはありましたけど、MVPはオルンガ選手がふさわしいと思っています」
ルーキーでの最優秀選手受賞という史上初の快挙を逃した三笘は、オンライン会見で爽やかな表情を浮かべながら、自分へ投票してくれた監督や選手に感謝した。歴代のルーキー最多記録に並ぶ13ゴールをあげ、リーグ1位の12アシスト、そして緩急を駆使したドリブル突破で対戦チームの脅威になり続けた東京五輪世代の23歳は、プロ1年目を振り返りながらこんな言葉をさらに紡いだ。
「最初のころは途中出場が多く、自分の価値をどんどん出していかなければいけなかった。アピールできなければ試合に出られないほど厳しい競争があるなかで、毎試合のように結果にこだわってきたことがだんだんと形になり、最後の方では先発する試合も増えてきたと思っています」
加えて、新型コロナウイルスの影響で再編成された過密日程を勝利で乗り越えるために、鬼木達監督は攻撃陣にローテーション制を導入しただけでなく、従来の「3」から「5」に増えた交代枠をほぼすべての試合で行使。必然的に川崎攻撃陣のプレー時間は他チームに比べて短くなる。逆に考えれば心身両面で好調を維持しながら、ピッチに立った全員が切磋琢磨するように大活躍を演じてきた。
例えば30試合に出場した三笘のプレー時間は1603分で、全34試合3060分の約52%にとどまっている。32試合、2729分に出場したオルンガは約89%に達し、身長193cm体重85kgの巨躯に搭載された規格外のスピードと身体能力、利き足の左足に宿る決定力の高さを存分に披露してきた。
叩き出した28ゴールは得点ランク2位のエヴェラウドに10点差をつけるだけでなく、J1が現体制になった2005シーズン以降でも2番目に多い。90分あたりの得点を比較しても、三笘の『0.73』に対してオルンガは『0.92』と、1試合1ゴールに近い数字を叩き出している。
得点シーン以外にも対戦相手を畏怖させ、敵味方の垣根を越えて観ている側を驚かせ、ワクワクさせるプレーを数え切れないほど見せてきた。最優秀選手賞の英訳となる<Player of the Year>の観点で、つまり個人のパフォーマンスだけで判断すれば、これまでの9つのシーズンと同じ図式のもとで優勝チーム以外から、選考委員会も文句なしでケニアから来たストライカーを選出したのだろう。
もっとも、恒例の年間表彰式を終えても、今シーズンを盛り上げてきた男たちの戦いは終わらない。チーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した関係で、FC東京との決勝が来月4日に延期されているYBCルヴァンカップ制覇へ、オルンガはエースストライカーとして照準を合わせる。
そして、川崎の左ウイングを担う三笘は元日に待つ天皇杯との二冠獲得を目指して、ブラウブリッツ秋田と福山シティFCの勝者と対戦する、27日の準決勝(等々力陸上競技場)へ気持ちを切り替える。くしくも同じ新国立競技場で待つファイナルへ向けて、最後のドラマが幕を開ける。
【サッカー】<Jリーグ>最優秀選手は柏FWオルンガ!得点王とW受賞…ベストイレブンは、王者川崎フロンターレから史上最多9人… [Egg★]
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Source: SAMURAI Footballers
ブッちりぎり優勝のクラブからMVPが選ばれない理由www