セルジオ越後「Jリーグは、現状に目をつぶってはいけないよ」「理想ばかり求めるJリーグに、苦しむのはクラブ」
2020年10月5日一昨年はJFL奈良クラブが観客数を水増しして、JリーグはJ入り資格となる百年構想クラブから同クラブを外した。担当者が1回、チェアマンが1回ヒアリングをし、J入り資格を認めたにもかかわらず、あっさりと無効にした。すべての責任はJFL事務局と当クラブに押しつけ、2度もヒアリングしたJリーグは、何の責任も取らなかった。そして今年1月、何事もなかったように、再び奈良クラブへ同ライセンスを交付している。
Jリーグは、地域に根ざしたサッカークラブを作るとの理想がある。しかし日本には、サッカーではなく、野球、相撲が好きな人もいる。各地域に行政と連携してスタジアムを作るように指導しているが、ようするに、国民の税金を使ってスタジアムを確保しろと、言ってるようなもの。その施策に関して、サッカーに興味がない半分以上の県民、市民が納得するのだろうか。
クラブ数が増えれば当然、試合数が増える。するとDAZNからの金額も徐々に増える。だから今のJリーグは、クラブが間違いを起こしてもクラブはつぶさない。自分たちの収入にかかわってくるからだ。
ルールを決めたのなら、厳しく裁いた方がいいし、そのルールが現実的でないなら緩めればいい。理想ばかり求めるJリーグに、苦しむのはクラブ。地方クラブに鹿島の成功例を挙げながら「がんばれ」と言っても、どの地域も鹿島のようにはいかないと、Jリーグ自体が最も知ってるはずだ。
そうであれば、J2、J3のクラブライセンスの基準を下げることも考えないといけない。特に地方クラブは、身を削りながら生存している。今回の秋田は、告発者がいたから明るみに出たが、ひょっとすると、他にも似たような境遇のクラブは複数存在しているかもしれない。Jリーグは、現状に目をつぶってはいけないよ。(日刊スポーツ評論家)
[2020年10月5日8時36分 ] 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/m/soccer/column/sergio/news/202010050000066_m.html
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Source: samuraigoal
セルジオ越後「Jリーグは、現状に目をつぶってはいけないよ」「理想ばかり求めるJリーグに、苦しむのはクラブ」