狙ってアウェー鹿島ユース戦初勝利。青森山田がプレミアリーグEAST優勝をより完璧な形で飾る
2019年12月6日 知らせを受けたのはバスの中だった。高円宮杯プレミアリーグEAST第17節・鹿島アントラーズユース戦へ向けて、試合前日の11月30日に青森山田高は茨城県鹿嶋市を目指して移動していた。
そこに2位の柏レイソルU-18が敗れたという報告が届く。このため、自分たちの試合を待たずに3年ぶりのリーグ優勝が決まってしまった。
ただ、「それで気を抜くとかあり得ない」(黒田剛監督)となるのが青森山田である。黒田監督は「優勝には勝ち点1を積めばいいわけで、まずは勝ち点1を狙う」という考え方から方針を転換。
「先輩たちは一度もアウェイの鹿島戦で勝ったことがないんだ。それを超えてみろ」と選手たちに新たなモチベーションを与えつつ、高円宮杯ファイナルへ向けて大切な一戦として、この試合を位置付け直した。
対する鹿島はここまで最下位に沈んでおり、この試合に敗れれば降格もあり得るというシチュエーション。
当然、「絶対に負けられない試合だった」(GK山田大樹、3年)。ただ、そうした気負いが、立ち上がりに関しては悪い方向に出てしまったかもしれない。
試合が動いたのはわずか開始2分のことだった。DF内田陽介(2年)が飛ばしたロングスローから、MF浦川流輝亜(3年)が合わせてゴールを奪う。高さへの対応に定評がある鹿島相手だけに、
他ならぬ黒田監督が「想定していなかった」という早い時間の先制点から試合は動き出した。
対する鹿島もこのまま終わる気はなく、19分にはMF舩橋佑(2年)のクロスにMF栗俣翔一(3年)が頭で合わせ、そのこぼれ球をMF舟崎歩武(2年)が押し込む形で同点ゴールを奪い取る。
だが、「すぐに同点に追い付けたのはよかったけれど、そのあとが……」と栗俣が首をひねったように、ここから波に乗ることはできず。逆に勝たなければいけないという焦りもあったのか、無闇なロングボールも増えてしまった。
黒田監督が「蹴ってきてくれて楽になった」と振り返ったように、青森山田は元々こうした攻撃への耐性を持っているチームであり、効果的ではなかった。
そして後半開始早々の4分、ゲームを動かしたのは青森山田だった。GK佐藤史騎(3年)のキックを起点とした攻撃から、U-18日本代表MF武田英寿(3年)が裏へと抜け出しての冷静な左足シュートを沈めて、決定的な2点目を奪い取る。
したたかな青森山田は後半32分にもDF神田悠成(3年)がロングスローからのこぼれ球を押し込んで点差を広げると、守ってもDF藤原優大(2年)を軸とする守備陣が鹿島の攻勢を跳ね返し切って、3-1で幕引き。
2位との勝点差を突き放し、リーグ優勝をより完璧な形で飾ることとなった。
黒田監督は独走優勝となった要因として「選手たちは自分たちの力のない部分をしっかり認め、勘違いすることなく努力してくれたこと」を挙げる。
夏過ぎから勝てない時期が続いたが、「やるべきことをやり切ることをみんなで確認できた」(MF古宿理久、3年)ことで、その苦しみを今はチームの糧となった。
あらためて全員でのハードワークを取り戻した青森山田が強さを示し、東日本を制圧。12月15日に埼玉スタジアム2002で行われる名古屋グランパスU-18とのファイナルへ駒を進めることとなった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191205-43474792-gekisaka-socc
12/5(木) 12:00配信
順位表
順位 チーム名 勝点 試合数 勝 分 負 得点 失点 得失
点差
1 青森山田高校(青森県) 34 17 10 4 3 38 20 +18 ファイナル進出枠
2 柏レイソルU-18(千葉県) 25 17 7 4 6 26 22 +4
3 浦和レッドダイヤモンズユース(埼玉県) 25 17 6 7 4 14 14 0
4 市立船橋高校(千葉県) 24 17 7 3 7 20 21 -1
5 清水エスパルスユース(静岡県) 22 17 5 7 5 24 20 +4
6 大宮アルディージャU18(埼玉県) 21 17 5 6 6 19 20 -1
7 流通経済大学付属柏高校(千葉県) 21 17 5 6 6 25 27 -2
8 ジュビロ磐田U-18(静岡県) 20 17 4 8 5 23 26 -3
9 尚志高校(福島県) 19 17 5 4 8 25 37 -12 プリンスリーグ自動降格枠
10 鹿島アントラーズユース(茨城県) 17 17 4 5 8 16 23 -7 プリンスリーグ自動降格枠
https://www.jfa.jp/match/takamado_jfa_u18_premier2019/east/standings/
順位表
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Source: samuraigoal
狙ってアウェー鹿島ユース戦初勝利。青森山田がプレミアリーグEAST優勝をより完璧な形で飾る